一行詩

エンジンをかけた後の小さな後悔
ただ椅子をさがしているだけの時間
ふて寝していても陽射しはだんだん強くなる
背をまるめ爪先を見る
 
風の強い日は
つい僕を削ればすむことだとおも
てしまう
太陽が傾く
 
疲れた腕をひとつ回す
この頃よく妻の胸で眠る
平成七年八月十五日発行