二十の詩
﹁
泥の雨﹂
一山の皿の上で貝でいる
俺を吊るす場所を探す瞬間がある
﹁
正しい﹂
はどれも鋭利で触ると指を切るキズひとつない机の前にいる イラダツ
何十人かの不愉快が歩いて来る
俺なんか消えてなくなれと言う俺のいる此処
みんな伝えきれずに空間に朽ちている
ポタリ今日ポタリ一日ポタリ俺ポタポタ
泥の雨 今夜のめしは何を喰おうか
溶けていく俺の今日一日の泥が溜まる
悪夢を反芻する胃と口を持
っ
て生まれて来たゾウさんにはなれない顔を鏡にうつす
靴下も捨てた足の裏と俺一人と
淡
々
と始めた一日を淡々
と閉じる懐かしい俺がいる屈託なく笑
っ
ている足元の一日分いつも通りの一日分
不器用を武器にしてそつなく生きてみようか
妻のよく肥えた尻をぼんやりと見ている
子供には聞かせられない言葉吐き出して眠る
この螺旋のみ込んだ妻の横顔のまるみ