一行詩﹁颱﹂
﹁
何を考えているの。
﹂
﹁
何も。
﹂
唇で髪を撫でるなじられた
っ
て蝙蝠でいたい脳味噌を煮つぶしてソレラシサを覚えていく
まだ諦めていない顔を満員電車が運んでいく
﹁
やあ。
﹂
スクラッ
プ置場の懐かしい顔﹁
久しぶりだね。
﹂
﹁
あの歌、
まだ覚えていた。
﹂
水を呼ぶ
。
初雪に打たれている。
﹁
ええ、
嘘も僕です。
﹂
俺を括弧で括るな
平成六年二月十五日発行
﹁
颱﹂
№301