一行詩「颱」
取り立てて思う事 温度計の目盛りが一つ上がる
にらめっこ 蛙お前も人恋しいのか
「もう」と「まだ」の間の隙間に目を置く
その後 その先 風見鶏はくるくる回る
薄められた時間が ビーカーの中身飲み当てても
混ざろうとはしない色の中に立っている
叶えてしまえば夢も現実か 便器に腰掛けていた
平成五年八月十五日発行 №295