一行詩「颱」
僕の中のモノノケ達の餌の時間だ
切り刻んだ事実を丁寧に盛りつけた皿の上の見事な嘘
視線にたっぷり漬け込んだ弱気を煮込んだスープです
今日のサラダはラシサです
卑屈と傲慢のカクテル名前は自尊心と言います
皮肉でしたら血の滴るレアがよろしいかと存じます
愚痴という魚のソテー 純情のソースをかけましょう
デザートはコンプレックスの砂糖づけ
満たした腹の独り言「美しいものだけ喰っていたい」
それはそれとして枝豆噛んでいる
(平成五年六月十五日発行 №293)