一行詩「颱」
不揃いな文字がヘタクソな僕を描きだす
アルベキだからとアルことにする 僕は迷子だ
僕を立てかけたままの低いブロック塀
僕も「此処」といっしょに歩いている
見失ったふり 丸い数歩
遠い影ゆらゆら 今日の僕も不機嫌
ドア、ぶあつい外套の上に愛想笑い張りつける
平成五年二月十五日発行「颱」№289