一行詩「颱」
窓の外は小さな明日 バスが揺れる
爪先立ちと中腰を繰り返す時間だ
「こんなもんさ」ニヤニヤ笑うゴキブリの下腹
囲いの中で色を混ぜて灰色を作る
割り切れない。……余りを歌う
よし帰るぞと一声出して原チャリに乗る
洗濯物のたなびく方へ原チャリで帰る
平成四年十二月十五日発行「颱」№287