一行詩{颱」
箱の中の足し算 秒針のチッチッ
洗面朝食排泄着替え そして不器用な靴を履く
ぽっかりと空いた穴の上 僕が掘りました
そういえば、まんべんなく踊るやつもいたりする
真ん中を歩くんだ 両脇に嘘を抱える
丁寧にトゲを抜いておかないとまた舌が止まらなくなる
アスファルトの水たまりにもお日様がいた
輝いて駆け寄ってくる膝っ小僧を抱き上げる
平成四年十月十五日発行「颱」№285