一行詩「颱」
食らって来たのさ 春も修羅
あそこの笑い顔は歩いた数だけ遠くなる
アクセルに張り付いたままの足だったんだ
ふわりと浮きさえすればそれでよい 後は雲の上まで
春がすみ 鬼の首がヘラリ
降られて濡れて散る花をうける
平成四年四月十五日発行「颱」№279