一行詩「颱」
「ここまで!」手が引いた線 足の地団駄
ところどころに聞いたこともない話 複雑な吐き気
ペラペラと赤い舌 ヘラヘラと白い脳
嗚呼 音をねじ曲げる耳
見たことはあります 今日の白い夕焼け
あの唄まだ憶えていた つまづいた石を拾う
ひげを剃る「平凡」もとの顔
そろそろ背骨のばそうよ
平成三年四月十五日発行「颱」№267