一行詩「颱」
一息では消せない蝋燭の数
はい 舌なら二枚もっています
命つなぐための機械を軋ませています
視線はそのまま脳みそがよそ見する
夕飯 テレビがたれ流す隣の火事
殺さなければ次は来ないのか
明日食べる米 どこから先が未来だろうか
「私はわたし」靴ひもしめ直す
平成三年三月十五日発行「颱」№266