一行詩「颱」
どう料理しても言い訳 皿の上で胡坐かく
問われるごとに別の花を答えてる
逆光 透けて見える薄い胸
入るべき穴が見あたらぬ 髪を整える
どぶの底干涸びてわれる 彼岸花紅い
だまし絵の鬼が笑っている
目の前に居る強情なカタツムリ
手拭いポンポンと体はたいて今日はおしまい
平成二年十一月十五日発行「颱」№262