一行詩「颱」
走っても脳の贅肉がとれない
待つことにもあきて真夜中の足をもむ
絵に描いた餅の匂いをかいでみる
なんにも知らないその目を下さい
不機嫌の暴発「ごめんなさい」に動けない
ぶら下がったまま偉そうに亭主関白ここに居り
爪先の憂鬱 ものぐさな靴下
平成二年九月十五日発行「颱」№260