一行詩「颱」
どう終わらせればよいのだろうか てのひらに問いかける
僕の中の理不尽 なめてる舌がしびれてくる
ナマケモノの爪三本妻にひっかけている
たたき殺したゴキブリの死骸… 食ってみようか
退却だ 退却だ ハラワタが泣き出す
チガウ!そうじゃない 畳の隅の終止符
今日は何も感じない 指を突きたててみる
妻が切り株のように眠っている
眠れない夜の瞬き 少女にでもなろうか
平成二年八月十五日発行「颱」№259