フリ
 
 

 
書こう
書こうと思いながら
なんだかイライラするばかりで
なか
なか書けずに七月も終わろうとしています
このまま書かずにいると
もう何も書けなくなりそうで
今かなり根性を込めてワ
プロの前にい
ます
 
七月にはい
てから僕の神経は
妙にとげとげし く
ざらついていま
別段これとい
た原因はないのです
ただ
日常のごく ささいな我
慢が積み重な
ブツブツと苛立ちの泡をたてています
つくづく情
けなく
僕のこの苛立ちのとば
ちりを被る家族に
特にいつも苛立ち
をまともにぶつけてしまう妻に申し訳なく思
ています
 
 
 
 
フリ
句4
 
馬鹿
 
 
いらだ
いらだ
ていることに
いらだつ
 
いらだつことにいらだつ自分にいらだつ
 
やつあたりした後悔でやつあたりする
 
いらだ
た目でいらだ
た指を見る
 
ごめんね
お前は
何にも悪くないよ
 
気弱さを日和のせいにして風にいらだつ
 
そして
いらだちの中に逃げ込んでしまう
 
 
 
 
 
鬼のような梅雨があけた途端に
化け物じみた炎天が広がりました
遅ればせながら
暑中お見舞い申し上げます
 
僕はその炎天の中
りとシ
ツを汗で濡らし
井戸を掘
います
百三十メ
トル
灌漑用水の井戸です
炎天下に機械の軋む音
と泥水をあびていると
震災もオ
ムも
史上最低の投票率も
まるで
遠い国の昔の出来事のように思えてきます
現実から遊離しているのは
と僕の方なのでし
うが
 
 
 
 
フリ
句5
 
時間
 
 
きしむたびに跳ね上がる泥水
 
たく違う事を考えている瞬間がいくつかある
 
力を込めた分だけ進むというわけでもない
 
ここに無い心は何処にあるのだろうか
 
としたら
暮らし
とは現実離れかもしれない
 
事が起こればそんな暇もなくなるのだが
 
好き
嫌い
ただ真面目にやる
 
この時間には孤独と思
たことがない
一人で居るのに
 
 
 
 
 
以前
理解
誤解
は同義語だと感じたことがあります
それ
かなりむち
な極論ではあるけれど
ひとつの真理でもあると今も
ています
だから真実は時間が経つにつれ
少しずつ形を変えてい
くのかも知れない
などと考えています
 
 
 
 
フリ
句6
 
例えば
 
 
いくつかの僕がいて
いくつかの時間がある
 
この前の僕だ
たのは
 
間合いをさぐる
 
キリもなくなる
 
なのに
すぐわかりたがる
 
 
わか
が重なり一つでなくなる
 
見る
聞く
触れる
感じている僕がいる
 
 
 
 
 
輝き
快感
感動
それぞれの一人一人のも
のだと僕には思えるのです
これも極論です
 
暑い時期に暑苦しいことを書き連ねて
申し訳ありません
出来れば
読んでください
 
敬白
 
 
 
平成七年
 
七月
 
末日
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
榮井